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雑記・回想録

20221114|舞台「盗聴」を観てきました



11月に「盗聴」をマチソワで入って観てきたので感想です。
(レポじゃないよ!)

 

目次

 

あらすじ

榎木田歩(濵田崇裕)は【有限会社 盗聴撲滅隊】の社長。付き合う女性にはいつも振られてしまうが、仕事ができ、人として温かい彼を、社員である佐野睦美(武田玲奈)、間宮健吉(有輝)はとても尊敬している。ある日、依頼人のマンション周辺を受信機で傍受していると、なにやら不審な気配。急いで部屋に駆けつけ、インターフォンを押してみるが、応答はない。一方、部屋の中では、窓の外の様子を探る人物が…。連絡が途絶えた依頼人の身を案じる榎木田たち盗聴撲滅隊の3人。彼らは、事件の気配を感じ独自に調査を開始する。(公式サイトより)

 

公演概要

公演時間:105分(休憩なし)
会場:東京グローブ座

 

※以下、ネタバレありです。

 

感想

観た後すぐ「サスペンスコメディーって聞いてたけど、ドチャクソ重い話じゃねーか!!!! この気持ちをあと数時間で処理してソワレに入れと……?」と頭を抱えた。事前に頭に入れていた概要は、サスペンスコメディーらしい・誰かが歌うらしい・殺陣があるらしいの3つ。主演の濱田さんがFCで?ネタバレは……と予めファンの方にお伝えしてたそうで、舞台のタイトル名で検索しても1つもネタバレを踏まなかったため(ありがたすぎる)、より衝撃が大きかった。どんでん返し系の舞台は久しぶりだったけど、複数回見れることに感謝。(オチを知ってからみると数時間前までは笑えていた部分も全く笑えないことあるよね。)

 

まず、映像と音楽めっちゃ好き、好み、ドストライク。音楽はスカパラだしそれはそう。さわりが終わって転換の時に流れるあの「出てくる人が次々にバーン!」みたいな紹介映像、好き。ポスタービジュアルのテイストで文字がステージ一面に映し出されるやつももっとじっくり観たかった。

 

客入りの曲もスカだったんだけど、好きな感じだったなー。60年代のスカ。聴いてて心地が良い。本編OPの曲がスカパラだったから合わせてたのかな。

 

中盤の客降りは本当にびっくりした。他の舞台で客降り復活の話題はあったけど、まさかあるとは思ってなかったので。通路をダッシュしてらっしゃったけど、外通路と扉の使い方がおもしろかったな。5扉も開いてて走っているのがチラ見えするやつ(2Fと3F席からは多分見えない。)大阪ではどうなったんだろう。

 

内容に関しては、見終わってから、榎木田のことを考え、睦美ちゃんと健吉くんのことを考え、二条のことも考え、うーーーーんってなる日々を過ごしている。

 

二条が正体を明かして「俺だよ」とマスクを外すも「誰?」ってなる部分、コメディー寄りにしてあって客席からは笑いが起こっていたけど、あの一言で二条は何かが弾けてしまうんだよね。自分を苦しめてこんな風にしてしまった原因はお前(熊切姉妹)なのに、自分は忘れることができないのに、それをしてきたお前は何も覚えてない、自分の存在すら記憶にない、せめてこんな状況に追い込めば思い出しくらいはするだろうっていう希望が砕かれてしまう。そのあといくら思わせぶりな言葉を出しても思い出してもらえず「あなた、マンションの」っ言葉を遮って殺してしまう。思い出したところで、管理人止まりって確信を得たし、これ以上聞きたくなかったんだろうな、辛すぎる。
マチネで入った時は、初見だったから思わず笑ってしまったけど、ソワレでは全く笑えなかった。いじめっ子とそれを囲むモブのモブになってしまったような後味の悪さがあった。ただもし華怜が思い出していたとしても、そこから時が戻ったかのように罵りが始まりそうだし、耐え切れなくなって結局殺してそうとは思う。

 

榎木田が二条と揉み合いになった後、首を絞めて全部を二条になすりつけようとするけど、あまりにも締め方がスマートすぎて、「え、絶対初めてじゃないじゃん、何人やってんの、家族の話すら嘘だったのでは?」まで考えてしまった。思い返せば、私が知っているのはあくまで榎木田が話した内容のみなんだよな。榎木田が自分以外知らなくていいことと分類してたのであれば、真実かもわからない。嘘はバレなきゃ嘘じゃない、し。出会って3ヶ月の人に家族のそんな重たい話を打ち明けるんだろうか、榎木田がそうだと思い込みたい作り話だったかもしれない。姉に付きまとっていたストーカーの話は3人睦まじく暮らしていたところに彼氏ができて自分の理想とはかけ離れた姉を盗聴して……ってこともあるかもしれないよね。ストーカーのせいで死んでしまった姉がいるのに性善説を出してくるの、自分がやってしまったことへ対しての居場所作りなのでは?と深読みしてしまったな。お母さんの件は本当だったとして、榎木田にさえ真実はわからないんだろうけど「事故だったと信じたい」気持ちと「自殺だったんだろうな」という気持ちの狭間にいて、自分が責任を取らなければならないとなった瞬間に、後者に引っ張られてしまったんだろうな。

 

熊切姉妹、一卵性双生児ってことあまり強調されてなかったけど、二人とも出会い系で浮気するんだ、そういうとこ似てるんだって思った。あと逆ギレの緩急も同じ感じなんだって。

 

劇中歌われた3曲、全部に意味があったと思うんだけど、妖怪人間ベムを歌うから、睦美ちゃんの「人間」の件があったのかな。(ベムって最終回確か人間になれる方法がわかるのに人間を守るために人間にならないことを選ぶんだよね?)

 

最後のシーン、車のモーター音と榎木田の歌のみになるけど、最終的に音に飲み込まれて歌が聞こえなくなる部分、個人的に金縛りに合う時と似ていてちょっとクラクラした。

 

パンフレットに濵田さんが書いていたけど、たしかにこれは数回見た方が面白いと思うし、気にしていなかった細やかな演技に目がいくようになると思う。華怜に初めて会うところとか、華怜の元彼に会うところとか特に。

 

キャスト

榎木田歩/濵田崇裕(ジャニーズWEST)
初めましての濱田さん。事前にどんな方なのかは、渋谷さんの言っていた「めちゃくちゃいい人、めっちゃ面白い」という情報のみ。すごく朗らかな笑顔と優しそうな雰囲気に、サイコパス野郎持ってくるの凄くいいよね。カテコで関西弁で話してらして、「あ、そうか関西の方だ」と思い出した。元々ファンの人は標準語だ!ってなってたかもしれないけど、私はそれを全く感じなかったのでむしろカテコでびっくりした。あとアカペラのベース、すごくうまくてビックリした。それを舞台で知るっていうのも不思議だけど。とりあえず、WESTのYouTube見てみる。

 

佐野睦美/武田玲奈
かわいい!「〜でいいっすよね」っていう言い方すごく可愛かった。妖怪人間ベム歌いながら後ろ向きに進んでいくところ、純粋に難しそうだった。怖いよね、歌いながら後ろに進むなんて。劇中ではある意味一番実行力が高い役だったなあ。

 

間宮健吉/有輝(土佐兄弟)
声の通ること通ること。すごくセリフが聞きやすかった。芸人さんだからなのかな?おばたのお兄さんみたいに、今後も舞台でお見かけするようになっていくんじゃないかなあ、と感じた。初舞台でハモリありの歌をやらないといけないって大変そう。ネタバレ回避のために聞いてなかった土佐兄弟のラジオも聞いたんだけど、初日にツナギの股裂けたって言ってて、立ったり座ったりが結構あったから、その状態で続けるのさぞ大変だったろうなと。

 

二条孝之/渋谷謙人
マスク姿での登場からだったけど、出てきた瞬間「うわ、ぜっっっっったいあれ」ってわかったし、そういう系の役だーってなった。(好きです。)あの仮面ってガイフォークスだよね?あえてなのかな。あと、殺陣が想像以上のものでびっくりした。あれを32公演!よくぞご無事で。

 

熊切華怜/上野なつ
綺麗すぎる……!上野さんが出てくるシーン、基本的には重めのシーンが多かったけど、イェイイェイ!のところ可愛すぎ。その後の木ベラの捨て方も好き。笑

 

横山英司・二条正則・宇野俣一郎・町田啓輔/児玉宣勝
横山亜香里・鈴村成美・神林美穂子・松倉遥・横須賀茉麻/阿久澤菜々
児玉さんと阿久澤さんは複数役演じてた組だけど、盗聴周りだけでいうと、児玉さんはする側(盗撮も含め)、阿久澤さんはされる側で分かれていて、面白いなーと感じた。阿久澤さんが演じた役の中では横須賀(ギャルの子)が一番好きだったので、カテコのお衣装がそれで嬉しかった!可愛い。複数役やってたけどカテコはこの役で出る!ってご自身で決めてたのかな?そもそも4役と5役って純粋にすごい。

 

笠原鐘/浦田大地
ク、クソ男の表現がうますぎる……!絶妙にムカつくあの喋り方よ。パンフに浦田さんのページだけなくてちょっと残念に思った。OP映像にはお写真あったよね?なんでなんだろ。笠原については、まじなんなんだ。ってか、あのまますぐ新しい彼女作ってずーっと生活してたってことは、留守録聞いてないんだよね?お前まじ……。パンフレットで役名見てちょっとかっこいい名前でよりイラついた。笑

 

カテコ

私はカーテンコール大好き芸人なんだけど、今回のカーテンコールのやり方もとても好きな部類だった。(一番好きなカーテンコールは劇団☆新感線の髑髏城season花です。ネトフリにあるからとりあえずみんな見て。)
あのすべてを出し切って役から解放された演者と観ていた観客の最高!ありがとう!が重なる時間、カーテンコール、最高。


今回は、濵田さん1人のお辞儀からキャスト総出のお辞儀。すぐさまはけてOP映像の時の曲に合わせて1人1人改めてピンスポにて登場、総出でお辞儀。はけて、もう一度集合しご挨拶って感じだったんだけど、ピンスポのところすごい好きです。ポーズも良い。(渋谷さんはカメハメハとカンフーポーズみたいなやつだった)
14日はマチソワ共に、ご挨拶(90%合唱)で、阿久澤さんのはけタイミングミス可愛かったです。ソワレではスタオベだったから、みんな総立ちで「糸」の合唱を聴くっていう、大変シュールな状況だったけども、素敵なカーテンコールでした。

 

余談

FitBit愛用してて睡眠ログつけてるんだけど、マチソワ連続で見た後に記録見たら両公演とも始まって5分くらいからカテコまでの時間で睡眠にカウントされてておもしろかった。どんだけ集中して動かず観てたの自分。(一切寝てない)そのせいか、他の劇場の暗転より暗闇を感じた。グローブ座特有?それとも照明の緩急に目が慣れないのかな。

記録用としてカメラ入っていたけど、きっと盤にはならないであろうとのことなので、勿体無いなー、WOWOWとか配信とかで放送とかしませんか?って思っている。複数回見た方が面白いタイプの舞台じゃない?あれ。戯曲本でもいいけど、歌のところが難しいだろうし。

下手見切れ席。左の塔のとこと、上のステージの左側まるで見えない。さすが見切れ。睦美ちゃんの最初のシーンは柵より前に立っているから80%くらいは見えたけど、二条の盗聴してるシーンは手のみギリ見える、健吉と睦美ちゃんの仲直りシーンも健吉見えずだったので、ソワレ中央席で見て、あんなとこに立っているのに見えなかったのか!と結構驚いた。

どうしても、見に行きたい!っていうきっかけになった方が演じている役には愛着というか同情というか、理解したいという気持ちが出ちゃって感想を書くと偏りますね。まあしょうがないんだけど。

 

いろんな解釈ができる内容だったからより面白かったよなあ。

ネタバレ禁止だったけど、カテコのポーズが流れてくる日々、とても楽しかった。全32公演、お疲れ様でした!ぜひ同じキャストで再演してほしいな。